桐生あんずです

日常やプログラミングについて書いています。

RubyKaigi 2022 に行ってきた #rubykaigi

桐生あんずです。RubyKaigi に行ってきました。 リアル参加は2019年の時ぶりで、懐かしさと新しさが入り混じった体験となりました。過去の記事は↓から辿れます。

kiryuanzu.hatenablog.com

導入の話

実は今回が社会人になって初めてのオフライン参加です。今までは Takeout で発表を視聴したり社の人たちが感想レポート書くのを眺めたりしていました。

そして今年はオンライン・オフラインの複合型開催ということで、なんとかして現地に行きたいな〜と思っていた際、社の方で今年入った新卒たちに RubyKaigi に行ってもらおうという話が持ち上がりました。そこで、「できれば RubyKaigi 周りに詳しそうな人も引率で行ってもらえるといいよね」という話になり引率者として私が選ばれたのでした。自分で言うのもあれですが、破滅等のエピソードをご存じの方からすると大丈夫か!? と思われそうな話ですね、はい。というか自分自身も心配になってました。だけど RubyKaigi には行きたいし行くからには後輩たちにも楽しんでもらうぞ!!という気持ちを込めて向かうことにしました。

開催日一ヶ月前あたりから社でお世話になっている id:iga_k さんからの RubyKaigi 予習会をやってもらったりみんなでホテルの予約や必要な申請手順を学ぶなどしていました。細かいことは以下のツイートの記事に一通りまとめています。

という感じで自分にとっては今までとはちょっと過ごし方の違った RubyKaigi がスタートしたのでした。

発表の話

今回もハイレベルな発表なばかりで刺激をたくさん受けました。特に以下の発表が記憶に残ったので軽く感想をまとめています。箇条書きでざーっと書き出した内容なので、もし理解が間違っているところがあったらすみません :pray:

  • Ruby meets WebAssembly - RubyKaigi 2022
    • Ruby の wasm 導入により Webブラウザやサーバーレスなどさまざまな環境で簡単に動かせるようになるよ!というすごく視覚にも訴えてきてインパクトのある発表。
    • 前半のデモでわくわくした後に後半の技術解説で一気にディープな内容になり実況勢がみんな一気に「わからないのがわかる」と言っていたのも RubyKaigi っぽい様相でよかった
  • Types teaches success, what will we do? - RubyKaigi 2022
    • RBS 周りの gem に対してどんどんやっていってるぜ、という感じでお手本のようなOSS仕草を次々と見せてもらった発表
    • オープンとなっているプロジェクトでの型の普及状況に対してもちゃんと調査されていていろいろと知れる発表だった
    • 私含めて、社の新卒たちもこの発表を見て PRチャンスやってみたい! と気持ちを高めていた
  • Do Pure Ruby Dream of Encrypted Binary Protocol? - RubyKaigi 2022
    • Ruby で QUIC という通信プロトコルを実装するためにはどのように進めていくのかを模索していったという内容で、なかなか難しいながらもアプローチを色々とやっていっていることが知れる発表
    • なかなかまだ実現に達してはいなくて難しそうだったんだけれど、1人でここまで取り組んで考察を生み出しいるところまでやっている事実がめちゃくちゃすごいよなーと思ったりした
  • Packet analysis with mruby on Wireshark - dRuby as example - RubyKaigi 2022
    • WireShark の dissector という 拡張機能Ruby で書けるようにしたい! といった内容でかなりニッチなところを攻めててすごいなーとなっていた。途中で会場のネットワーク障害が発生するというアクシデントが発生しながらもちゃんと落ち着いて発表していたというのもすごくて、印象深い発表となっていた。
    • CTF のパケット問題でよく使う WireShark がこんなところで出てくるとは思わなくて、それがなんか嬉しかったです(その後しおいさんとばったりお会いしてその気持ちを直接伝えることができた)
  • Why is building the Ruby environment hard? - RubyKaigi 2022
    • おそらく Ruby 入門者の中で一番イメージ湧きやすい発表だったのでは? と思っている
    • しばたさんによる Ruby のビルド失敗例集の話なんだけど、メンテナ視点でRubuビルド失敗あるあるの話から今後のバージョンで起きそうなビルド失敗事例集といったみんながとっ付きやすそうな話を一通りしてくれて安心感があった
    • ビルドエラーでつまづいた時はいつもしばたさんが登場する issue を見るのでいつもお世話になっています……という気持ちで見ていた
  • The Better RuboCop World to enjoy Ruby - RubyKaigi 2022
    • RuboCop についての現状とより良い使い方ができるようにするためのアイデアを述べられていた
    • RucoCop のルールに縛られすぎて経験者と新人の間でレビューコミュニケーションで時間がかかる……といった例はこれ新卒研修のコードレビューで見たことある気がする! という感じでしばたさんの話に続き距離感が近い発表で安心感を覚えた人はそこそこにいそう
    • みんな分かる! と思えるトピックだけれど丁寧に言語化するには難しい題材のものだった気がして、すごくじっくりと言葉を編まれて作り出した発表のようにと感じた
  • String Meets Encoding - RubyKaigi 2022
    • String#splitメソッドを早くするためにすごく実直かつ丁寧にチューニング作業を進めていった発表で、結構コアなところを見ているはずなのにすごく分かりやすく解説されていたのが印象的だった
    • その後のご本人のブログを読んだら色々裏話が書かれていて面白かった

年々発表内容について何をしているか分かるようになってきて(わからないところもたくさんある)、学生時代に比べても技術面においてもすごく楽しめるようになってきた気がします。

Rubyソースコード完全解説やRubyのしくみを読むをそろそろ読んでいい時期な気がするのでチャレンジしてみようと思います。

発表以外で印象に残った出来事の話

とにかく色々があったので高速ダイジェストのつもりでお送りします。

ホテルで Rubyist に遭遇しまくる

とにかく津駅のホテルに Rubyist が集結していて毎日のようにばったりで出くわしていました。1日目の朝に会社のシャツを着てエレベータに乗っていたら「RubyKaigiですか?」と会話がスタートしちょっと盛り上がるなど。

お話しした人とはスポンサーブースで遭遇してかのコーヒーで有名な ogijun さんであることがわかって面白かったです。

後輩の引率をしていたら驚かれたり感動される

おそらく驚かれるんだろうなーと思っていたらめちゃくちゃ良い反応してくれる人ばかりでした。(リモート組にもレポートしてもらっていて面白かったです)

後輩に様々な人と話してもらうために今まで見知った方達にたくさん声をかけた記憶があるのですが、どの方も優しく絡んでいただきありがとうございました。

後輩の引率をする上で RubyKaigi で毎回お世話になるフレンズの炬燵ちゃんにすごく協力いただいて名刺交換の儀を私たちに教えてくれたりエモリハウスの方々との会食の場に混ぜていただき本当に感謝づくめでした。ありがとう〜。

会社の人たちのお金で肉とうなぎを食べる

会社の先輩の方々のおかげでちゃんと美味しいものが食べられました!ありがとうございます!!!

#ruby_music_mixin に行った

3日目夜のアフターイベントとしてピクシブさん主催の DJ イベントに行きました。 それぞれの方の DJ スキルが尖に尖りまくっててサイコーでした。

川でよく会う人たちともワイワイ話せたのが印象に残っています。 なんか盆踊りしていたりとカオスな感じだったりで興味ある人は Togetter の方も見てみてください。

自キ活動を布教される

魔王さんと角谷さんに自作キーボードはいいぞの布教を受けて何かちっちゃいものからいじるか……という気持ちになりました。メイン機の横で愛でれる何かを組み立ててみたい。

来年の松本でどうやら催しがあるので興味ある方は抑えてみてください。

保護(?) される

「よし!後輩の引率も成功したしこれでミッション完了だ!」と思って気が抜けたのか DJ イベントの会場に持ち物を忘れてきました。一瞬で気付けたけどめちゃくちゃあぶなかった。

そらはいつもありがとう……。1人で帰ってたらめっちゃ大変だったと思われる。

帰る道中では川も目撃しました。

津駅に戻ってからは人々の飲み会に潜り込んでちょっとわちゃわちゃして、最後はかすみんさんに見送ってもらいました。(でも実は4日目朝にもばったりあっているので最後ではない)

イベント期間中の二次会はネットワーク班の子達や KMC 組の人たちと合流してわいわいさせてもらえて楽しかったです。そしてスタッフ業をめちゃくちゃ頑張っていて本当にお疲れ様でした。来年は何か手伝いたいなという気持ちがある。(やれることはあるだろうか……)

ちなみに行き帰りともにらいむさんが遠隔で心配してくれていたのもバブみ力(死語?)が高すぎてありがたかったです。

まとめ

思いつく限りの RubyKaigi エピソードを書き綴ってみました。上で書いたこと以外にも、発表の難しさに刺激を受けて学びたいことが増えたり、いろんな会社の人たちと初めてお話しできたり久々の再会を果たせたりととにかく楽しいことずくめのオフラインイベントでした。

ここ数年は会社の中での活動が充実していてそちらの方で学ぶことが多かったのですが、今回たくさん刺激を受けてやはり外に目を向けるのも定期的にやるべきだと実感しました。今後時間を作って Ruby Hacking Challenge系の勉強会やコードリーディング会も覗きにいってみようと思います。

後輩たちもすごく刺激を受けたと話してくれて、「1人だったらこんな体験はできなかった」と感謝してくれたのがめっちゃ嬉しかったです。 次回の松本ではもっと会社の人を連れてこられるようにできたらいいな。

ここ数年で失われていたものが一気に帰ってきて活力が上がった感覚です。来年の松本に向けて色々がんばっていくぞ〜。

そんな感じです、ありがとうございました!