桐生あんずです

日常やプログラミングについて書いています。

プリティーリズムオーロラドリームを6年ぶりに一気見した感想まとめ

桐生あんずです。

先月くらいからプリティーリズムオーロラドリーム(以下「AD」に省略)を毎日見続けていて今日最終話を見終わった。見たのは今回が初めてではなく、プリパラにはまりだした大学生時代にレインボーライブを見てからその流れでADを見たのだけれど、終盤の展開に大変感動して思い出深い作品になっていた。

6年経って改めて見ると色々見方が変わってくることに気づいたので改めて感想を書いておく。

 

ADは1クール目では主人公のあいらとりずむの友情物語やcallingsたちとの恋愛フラグが繰り広げられ、1クール目の最後ではソロ大会に参加しあいらの才能の片鱗が見え出してその姿を見たりずむが自分の実力に不安を抱きつつも3人目の主人公であるみおんが突然参戦するといった流れになっている。

1クール目の前半では、まだパンチが薄い印象はありつつもあいらの相手役のショウさんがめちゃくちゃ面倒で「デートかと思った?」と突然説教してくる展開が発生するなど普通の女児向けアニメではない雰囲気をじわじわと醸し出してくる。

あいらとみおんの友情を順調に育んでいきつつも、1クール目ラストの話である「勝利の栄冠(ティアラ)は誰の手に!?」では前述の通り二人の今後の関係性に不穏な展開が発生しそうな伏線を残しつつ、みおんというあいらとりずむとは全く違った性質の新キャラがライブで参戦するという情報量が大量に盛り込まれた展開となっており、ここまでADを見ていた人間は確実にここで引き込まれるように思う。

さらには、2クール目最初の話である「アンディの涙」では匂わせつつも詳細には明かされなかったりずむの母親の神崎そなたの過去の情報を一気に出してきて、りずむの家庭環境の深刻さが突然判明し視聴者はさらに引き込まれるようになるという物凄い流れを用意している。この回の脚本はレインボーライブにもメインで参加していた井内秀治さんで菱田監督とも関係が根深い方なのだが、この人の脚本の回(第38話「ミラクル・スノーの降る夜に」第46話「対決! あいらVSりずむ」)は切ない要素が普段より盛り込まれているのだけれど暖かさもあって印象深く感じる。

2クール目は主にみおんの成長がメインで、母親不在のりずむと同じようにみおんも両親とずっと離れて暮らしているゆえの孤独心が強く、誰にも心配されないようプロとして大人らしく振る舞おうとしているのだが、同世代のあいらとりずむの存在によって仲間の絆を信じるようになっていく過程が丁寧に描かれている。

ここの描写も個人的には好きで、みおん自身はまだ14歳の女の子なのに大人の立場で仕事を遂行してプロとして振る舞い続けることの強さがあり、その中で初めて心から通じ合える仲間を持つことができて精神的に変化しつつもプロとしての自分も忘れずいき続けようしているバランス感を保っておりすごいかっこいいキャラだな〜となった。

3クール目からはMARs結成から芸能活動編が始まりコミカルな展開も増えていく。ライバルのせれなとかのん(通称: せれのん)もメインで登場するようになってくるのだが、この二人もすごくバランスのとれたキャラだと感じている。

2クール目の最後の大会では主人公たちはせれのんに負けてしまう展開があり、一歩表現を変えたらヘイトが溜まりやすいキャラになるかもしれないのだが、お笑い芸人キャラという要素をうまく使ってギャグパートに入り込みつつも主人公たちと同じように成長する話(第32話「爆笑! せれのん浅草漫才修行」)も盛り込まれていて主人公組と同じくらい応援したくなってくるレベルで好感度が上がっていったキャラだった。

3クール目のMARs芸能活動編は、1,2クール目とは少々毛色が変わってくるのだが既にキャラクターへの理解と好感はかなり高まった状態で見ることになるのでずっと見ていたい気持ちになるのだが、4クール目前になると話をたたむ準備がされるようになり、ロシアから神崎そなたに育てられた少女・久利須かなめの登場から始まり、それぞれのキャラがソロで大会に挑む話がスタートする。

久利須かなめのプリズムショーでは感情を無にすることでライバルのプリズムジャンプを模倣するスキルが登場するのだが、プリパラ1期のファルルも感情がないからこそできる模倣の連続メイキングドラマを繰り出す展開があり、その展開とかなり近い要素を感じる。また、キンプリの後編映画(以下: キンプラ)でも如月ルヰがヒロのprideを模倣してくる展開があり、やはりかなめの模倣スキルが土台になっているように感じる。(後述するが、キンプラは他にもADを意識した展開が多くて改めて見るとなるほどな〜となった)

4クール目からは一気にシリアス度が高まり、あいらとりずむがそれぞれオーロラライジングを跳ぶために離れて修行を行い、みおんはオーロラライジングを越えるジャンプを見つけ出すために海外へと旅立ってしまう。この中で印象深かったのは、りずむは13年間もの母親不在の状況から救いを見出すためにオーロラライジングを飛ぼうとするのだが、あいら自身は家庭環境による葛藤もなく自分のためというよりかは現役時代オーロラライジングを跳ぶことができなかった阿世知社長を救うために跳ぶことを決意するという展開になっていることである。

あいらは1クール目でもりずむと阿世知社長のために「サムシングブルー」と呼ばれる花嫁を祝福する側のドレスを着てプリズムショーを踊るなど、前述の理由からどうしてもオーロラライジングを飛びたいりずむやプロとしてトップでいたいみおんと比べると自分自身のために動くというよりかは、他者のために動き続ける主人公として成立している。だからこそ、50話の「新プリズムクイーン誕生!」では阿世知社長や仲間たち、そして自分のプリズムショーを見て夢を持ってくれたファンたちへの想いを込めて全員がオーロラライジングを跳ぶことができるオーロラライジング・ドリームを完成させる道を進んだのはすごくうまくできているように感じた。プリティーリズムADはあいら視点で見ると常に誰かを救おうとする物語になっていて、母親不在に苦しんだりずむやプロとして孤独でい続けようとしたみおん、そしてオーロラライジングを巡る過程で苦しみ続けた阿世知社長を救うことで物語をうまく終わりに向かわせていく。

最終話では、あいら自身が強い気持ちを持ってMARsの活動を復活させてプリズムショーを通てファンに夢を与えていくように動いていくのもすごくあいららしい夢の持ち方であり、主人公として成長したことが伝わる終わり方になっているのも本当に良かった。

過去にADを見た時もプリズムクイーンカップの顛末はかなり印象深かったのだけれども、今回もずっと画面を見放せず真剣に見てしまっていた。先ほどキンプラの要素はADのプリズムクイーンカップ編にかなり影響を受けているのではと書いたのだが、箇条書きにして述べておくと思いつくだけでもこれぐらいあるように思う。(映画公開当時のfusetterなどで何度もまとめられていると思うので今更書くことはないと思うのだが一応書いておく)

  • みおんがブエノスアイレスに向かい山で修行するシーンとカズキの修行シーン
  • あいらがオーロラライジング・ドリームを跳ぶ時に空中に浮かび上がる演出とカズキのプリズムショーの演出
  • りずむがオーロラライジング・ファイナルを跳んだ後失格になる展開とカズキの失格になる展開
  • かなめの行動にショックを受けてプリズムジャンプを跳べなくなったあいらとルヰとの邂逅によりプリズムジャンプが跳べなくなったシン(これに関してはきっかけが大きく異なっており結果が同じというだけ)
  • みおんのプリズムジャンプの台詞(「私、生まれた!」)をシンが言っている(「僕、生まれた!」)
  • あいらとみおんの採点結果とヒロとルヰの採点結果(どちらも片方が片方に対して手を取って勝利を伝える結果になっている)

他にもAD時代のプリズムジャンプを跳びまくっていたり、キンプラでプリズムの女神として機能している神崎そなたがヒロを導く展開などがあるのだけれど一旦ここまでにしておく。

ちなみに、ディアマイフューチャー(以下:DMF)のあいらはショウさんに振り回されすぎて男運なさすぎではというイメージがあったり逆にりずむは男運が良すぎた結果結婚までしていたり、阿世知社長もとある結末を迎えてこの作品全体の物語のヒロインだったな〜と思い出す点が色々ある。ただ、今DMFを見返すと思うところがまた変わってきそうなので大変気になる。

当時は大学の先輩からブルーレイを貸してもらったりTSUTAYAで頑張って借りて見ていたけれど、今はdアニメで一気見できるようになったので大変良い時代になったと思う。

という感じで、プリティーリズムシリーズはいつ見ても色あせない作品なので気になる人はぜひ見てください。一度見た人も新しい発見があるはずです。