桐生あんずです

日常やプログラミングについて書いています。

面白法人カヤックの「ブレストカード」で遊びました

桐生あんずです。
今日はサクラ荘の1階のリビングをお借りして、面白法人カヤックさんで出されている「ブレストカード」というブレインストーミングを手助けするカードゲームで遊びました。
brainstorming.kayac.com


「ブレストカード」とはイラスト入りの100枚のカードと他人のアイデアへの「乗っかり力」を高めるための「乗っかりチップ」7個が入っていて、この道具を駆使してブレストゲームをしていきます。
流れとしては、
①参加者の中からまず最初に1人投資家を決める。投資家は「アイデアを出して欲しいお題」を考えて他の参加者たちに伝える。

②投資家以外の参加者は、山札のカードから1枚ずつ順番に引いて30秒以内にカードから発想したアイデアをプレゼンしていく。

③全員がプレゼンし終わったら「乗っかり」フェーズに以降。投資家の「せーの!」の掛け声で他の参加者たちが自分のアイデアカード以外のカードに良いと思ったアイデアのカードに乗っかりチップを乗せる。

④投資家以外の参加者は、乗っかりチップを乗せたアイデアについて30秒以内で「これが良いと思った」「これを◯◯したら◯◯したらさらに良いと思う」など、想像を膨らませてプレゼンを行う。

⑤全員のプレゼンが終わったら、再び良いと思ったアイデアのカードに乗っかりチップを乗せて、④の時と同じように更にアイデアに対する想像を膨らませて参加者がプレゼンを行う。(なお、同じカードに乗っかりチップを乗せた参加者はグループワークを行なってアイデアを出し合ってもよい)

⑥参加者のプレゼンを聴き終えた投資家は、一番良いと思ったアイデアのカードに「ナイスアイデア!」と指差して1ゲーム終了。そのアイデアを発想した参加者、アイデアについて乗っかった者には60億円(!?)が分配される。1ゲームが終了したら最初の投資家になった参加者の左隣の者が投資家になる。そして全員が投資家の役割をこなした時点で本ゲームが終了し、一番資金を持っていたものが優勝。

お判りいただけたでしょうか。60億円が分配されるのがちょっとシュールですね。
このゲームの特に面白いところは、
「30秒以内で思い浮かんだアイデアについて話さなければいけない」「『乗っかりフェーズ』では、自分のアイデアには乗っかることはできず、他人のアイデアを膨らませていく」です。
なので、短い時間内にフッと思いついたアイデアをプレゼンしていかなければならないし、自分のアイデアは最終的には他人の手によって膨らまされていきます。

最初は「アイデアってすぐ出てくるか心配だし、人のアイデアを膨らませるのって難しそう…」と思ってしまいそうですが、やってみると様々な発見があってめちゃくちゃ面白かったです。
また、④の第一乗っかりフェーズでは「良いと思ったアイデア」について、参加者個人個人がプレゼンを行い、⑤では同じカードに乗っかりチップを乗せた人たちで1分ほどグループディスカッションを行なったのちにじゃんけんで勝った一人がプレゼンを行うチームプレゼン形式にしました。

全体的な感想を書く前に、まずはお題ごとの感想や流れを簡単な書いていこうと思います。面白そうなアイデアがたくさん出ました。(ちょっと長いので読むのが面倒になった人は飛ばしてもらって大丈夫です)

①雨の日を楽しむ方法

「水で膨らむと大きくなるおもちゃを街中にばらまく」、「服の整理整頓」、「雨の中で星を一番早く見つけるゲーム」などのアイデアが出た。
最終的に、「雨の中で星を一番早く見つけるゲーム」のアイデアが膨らまされて、「雨の中で星を見つけるゲームを婚活パーティーでやる。ペアでゲームを行なって、一番先に見つけたペアにディズニーランドチケットが優勝商品としてもらえる」といったアイデアが選ばれた。
他のアイデアにも元のアイデアからゲーム性を付与して遊ぶ企画へと昇華されて面白かった。
採用された理由は「ペアを組んで仲良くなってもらうこと、そして勝ったら更に仲良くなれそうな景品が用意されていることなど過程が明確に示されていたから。」だった。

②やってみたら面白そうな野外フェスの企画

「コスプレパーティー」、「ホールの中を真空にする」「ベルトコンベアで演者を移動」などのアイデアが出された。
ベルトコンベアのアイデアからは、「円形や空中など様々に移動ができ、見える側によって多様な解釈を産むイベントができる」といったように膨らまされた。
コスプレパーティーのアイデアからも、「開催側が服を全て用意し、メイクも指導してくれる。一つのテーマを決めてみんなで同じ服装をすることでライブの一体感を生み出すことができる」とまで膨らまされ、コスプレパーティーのアイデアが選ばれた。

③作ってみたいWebサービス

個人的に一番やってみたかったお題で、様々なWebサービスが生まれてとてもよかった。せっかくなので全部紹介します。
・日記を投稿したら「悲しい」「嬉しい」などの感情を表す発言によって音楽が自動で生成されるWebサービス
・人に渡せなかったプレゼントをネットに公開してランダムで受け取る・受け取れるWebサービス
・自分のテキストの続きがランダムに挿入されていくWebサービス
・ゲーム実況についての実況や感想を投稿できるWebサービス(ゲーム実況実況)
・文章を投稿するとAIによって多面的な角度から批評されて自己分析を助けるWebサービス
・物を持ち運ばなくてもいいように目的地に物があるかどうかが見れるWebサービス
・コーディネートを考えてもらって採用した人にお金を渡せるWebサービス

ちょっと言葉だけでは説明しづらい内容のWebサービスもいくつかあるのですが、様々な観点から作りたいWebサービスのアイデアが出てきてすごくよかった。もちろんこのアイデア群も参加者によって膨らまされていきプレゼンされていったのが面白かった。精神医学的観点によって論じたプレゼンを行う人や、「日記が音楽に変わることで他者からの反応がなくとも個人でも楽しむことができる」といった理由で推す人など、様々なプレゼンが見られたのも面白かった。
最終的に選ばれたのは「文章を投稿するとAIによって多面的な角度から批評されて自己分析を助けるWebサービス」でした。
④作りたいサークル
ここでは、「サークル会員がそれぞれ地図を作って紹介し合うサークル」や「日の出を各所で見に行くサークル」「猫を愛でるサークル」、「当番制で料理を振る舞うサークル」などのアイデアが出た。サークルの企画にゲーム性を盛り込めたプレゼンをしたり、そのサークルに所属することでのメリットやコミュニケーションの楽しさについてプレゼンが出てきた。
最終的に「当番制で料理を振る舞うサークル」が採用された。

全体的な感想

最初はすごく難しいのではと思ったが、カードを元にアイデアを出す作業は意外と苦ではなかった。
また、30秒以内でプレゼンをするというルールを設けることで「頭の中に出てきたアイデアをどんなものだったとしても殺させない(言いとどまらせない)」、「30秒以内でわかりやすく共感してもらえるプレゼン能力の向上」などのメリットがあると感じた。
そう、アイデアがどんどん生まれることもこのゲームの大事なポイントなのですがプレゼン力や共感能力を鍛えるゲームにもなっているんです。これ。
また、「自分以外のアイデアに乗っかって膨らませていく」という段階もすごく良いなと思いました。実際、元のアイデアよりも元のアイデアが膨らまされて出来上がったものの方がすごく面白く仕上がります。なので、他人のアイデアであっても自分で作り上げたもののように感じちゃうのです。

ゲームをやっていて、自分が考えたアイデアが採用されて勝つことと、他人のアイデアを膨らませてプレゼンしたものが採用されて勝つことがどちらもあったのですが、不思議なことに後者の時の方がかなり嬉しかったです…。(もちろん前者の時も勝者なので嬉しいんだけど、達成感が違う気がする)
これはちょっとした発見で、たとえ自分が最初に生み出した作品ではなくても、その作品を更に膨らませて良いものにしていく作業もすごく楽しいんじゃないかと思いました。これは今後、ものづくりの仕事をしていくにおいて良い発見だったなーと思います。

また、ゲーム性もかなりあります。実際、人に選ばれそうなアイデアのカードに乗っかりチップを乗せたり(いわゆる美人投票…)、投資家が好きそうなアイデアのカードに乗っかるといった戦略を考えたり。
複数人が乗っかりチップを乗せてるアイデアを選ぶのをあえて避けて、孤軍奮闘で闘って採用されたら賞金をたくさん得る、といった戦法ももちろんできます。

また、「自分が出したアイデアが二番目にベット(乗っかりチップが置かれている)されているときは一番目のアイデアを選ぶ、自分の出したアイデアが一番選ばれていたら二番目に置くと勝つ確率が上がる」といった戦略論を展開する人が現れたりもして、アイデア力やプレゼン力を高める以外にも様々な楽しみ方があることがやっていて明らかになりました。

このように、アイデアを考えるのが好きな人、プレゼンをするのが好きな人、ボードゲームをするのが好きな人など、様々な人が楽しめるとても良いゲームだと思います。

お値段はちょっと張りますが(4,216円)、仲間内で割り勘しあえば普通に買える値段になりそうです。(もしくは部費で買っちゃおう!これもサークルクラッシュ同好会の会計で買ってもらえました…)
何度も遊べて楽しいカードゲームなのでちょっと高いと思っても触って損はないな〜と思います。仲間内、学校、サークル、会社など様々なコミュニティで遊べるはずです。

まだまだいろんな遊び方がありそうなので今後もやってみたいです。参加してくださった方々、ありがとうございました〜。