桐生あんずです

日常やプログラミングについて書いています。

法学部で2留した大学生が2019~2020卒Web系エンジニアで就活した感想

桐生あんずです。

今回は就活の話です。先日内定が出て、無事承諾をさせていただき就活を終わることになりました。(内定先のお話に関してブログに書いて大丈夫かどうかお聞きしたところ、快く許可をいただけました。詳しくは記事の後半で書きます。)

 

お祝いの言葉を送ってくださった方々も本当にありがとうございました!!

あまりにも長い期間の出来事だったのでどこから書くべきか唸りながら文章を書いていますが、できるだけ簡潔に、その上で自分が感じたことを書いていこうと思います。

1,筆者の状況

2014年に京都の私立大学の法学部に入学して今も絶賛登校中の大学6回生です。

何でそんな人間がWeb系エンジニア目指したの、という話ですが以下のエントリの出来事が大体最初のきっかけです。

kiryuanzu.hatenablog.com

要約すると、

Web系の勉強会に思い切って参加してみたところ、自分が昔から大好きだったインターネットを作っている京都の人たちと知り合うことができた。しかも話を聞いていると、すごく楽しそうに仕事をしている。こんな世界があるなんて知らなかった!

自分もこういう大人になって仕事をしてみたい!!!!!!!

以上です。

 

このモチベーションが原動力になり、大学の友人から誘われたプログラミングスクールで3ヶ月ほどアルバイトしたり、そのバイト先が潰れてしまい時間ができたのでずっと構想を練っていたWebサービスをローンチするなどしていました。

そういったことをしているうちに、今のバイト先に見つけていただき、Railsエンジニアのアルバイトを1年半ほど続けさせていただいております。

それと並行して、RubyKaigiという素晴らしいカンファレンスに出会い、そこで出会ったエンジニアの方々の影響を受けてWeb業界への憧れを更に強めるようになっていき、そちらに絞って就活をする気持ちが完全に固まっていきました。

自己紹介はこんな感じです。

 

就活の状況と受けた会社の傾向

タイトル記事にも一応記載していますが、正直に白状すると実は1年くらい就活していました。

 

期間

・2018/1~7(2019卒)

・2018/12~2019/6(2020卒)

就活をちゃんとやっていた人からするとスタート時期が少し遅めなのでは?と突っ込まれそうな感じですね……

また、留年も続けていたためあまり実感が湧かない状況ですが、いわゆる就職浪人みたいな状況を体験したことになります。去年の頃はかなりナイーブになっていた記憶があります。

受けた企業ですが、自分が好きなサービスの企業(toC向けメイン)やRubyKaigiなどのカンファレンスで興味を持った企業を中心に受けていました。

自分の中では「入りたいと感じた企業」を受けることしか頭に入れてなかったのですが、人にそれを話すと倍率の高い企業を多く受けていた模様で、就活が長引いてしまったのもそれが少なからず関係しているのかなと思いました。もちろん自分のスキル面が企業から見て不足していたなどもあると思います。

 

受けた数

2019卒時代

10社(最終選考落ち: 3社)

2020卒時代

9社(内定: 1社, 最終選考落ち: 2社 最終選考辞退: 1社)

他にも本選考自体は受けず、面談のみさせていただいた企業の数を含めると約24社ほどと関わらせていただきました。

具体的な期間、受けた企業数の状況に関しては以上の通りです。

せっかくなので当時のことを時系列順から振り返りたい……と思ったのですが、膨大な量になりそうなので、ここでは就活中に記憶に残っている出来事をピックアップして総括寄りな雰囲気で書いていこうと思います。

 

2.1, 就活中の振る舞いで意識したこと、印象に残っているエピソード

・会社訪問と求人周り

2019卒時代の最初の月はカンファレンスやインターネットで仲良くなった人たちのつながりで数社ほど会社訪問に行っていました。

他の業界の会社訪問がどういう雰囲気かあまり分からないのですが、オフィス内で1時間ほど面談をして会社見学をして、一緒にご飯を食べに行きたい方がいる際はこちらでアポを取って飲みに行く、という流れをよく経験していました。

当時は好奇心が炸裂した結果とにかく動き回っていた状態だったのですが、今思うと企業の雰囲気を少しでも知ることができる。かなり大事な機会だったと思います。

あと、逆求人やサポーターズを活用して就活をするエンジニア学生が多いことを就活が終わりに近づいてから知りました。個別で連絡を取って会社訪問をするのも身になる経験でしたが、そういった逆求人イベントに早い時期から進んで参加して様々な企業の方と面談をしてマッチングを確かめていくのは、かなり良い就活のスタートダッシュになると思います。

逆に、遅く始めてしまうと採用枠が少なくなり採用までの難易度が上がってしまうといったことも多いにあり得るらしいです。

技術力がある場合、あまり関係のない時もあるとのことですが早めで越したことはなさそう……。

 

面接形式と交通事情

自分は京都に住んでいるので、オンライン面接/面談を実施していただくことが何度かありました。

東京の企業を志望する際、交通費代がかなりかかるのでそういった形式を取っていただけるのはかなりありがたかったです。

しかし、自分の場合リモート形式だと接続の問題で会話のテンポがつかみづらくなり、面接特有の緊張も重なって元々ある吃音が酷くなってうまく話せず終わってしまった、ということも何度かありました。

これは自分の性格の問題もあると思うのですが、上の方の面接に進めば進むほどそういった状況に陥りやすく、面接が終わった後に自己嫌悪タイム~~(不貞寝4時間)といったメンタル状況に陥り、その場合は必ず落ちてしまっていたのでかなりキツい経験でした。

そのような記憶を掘り起こしていくと、リモート形式の面接は自分にとってあまり良い思い出がないような気がしています。*1

上記のような経験を踏まえて、2020卒就活を始めた頃からは「もうできるだけあまり失敗をしたくない」という気持ちになり、向こうからオンライン形式を選べることを提示していただける場合でも東京まで実際に足を運んでオフィス訪問形式で面接を受けていました。

これはかなりコストのかかった選択だったので、経済的に不安のある学生の方にはあまりお勧めしたくないのですが、自分の場合はその方が実際うまく面接で話すことができる機会が多く感じられたので悪い選択ではなかったと振り返っています。

 

しかし、夕方ごろに面接が終わってそのまま新幹線に乗って23時半ごろに京都駅に着く、という生活を週1~2くらいでやっていた月はかなり体力的に厳しかったです……。特に、夜遅くに新幹線に乗っている間が虚無の感情になってくるので、「これはヤバい」と思いNitendo SwitchのDL販売で「プリパラ オールアイドルパーフェクトステージ!」を購入して時間を潰す癖を付けたら少しだけ緩和されました。

 また、東京にいる時はできるだけ友達をご飯に誘ったり気分転換に映画を観ることもよくやっていました。疲労を貯めない程度にそういった楽しいイベントを盛り込んでいくとストレス解消になって良い気がしています。

 

といったようなこともあり、面接形式を選ぶ場合、自分の調子に合わせてうまく切り替えていくことが大切だったと感じています。

 

・エンジニア面接でよかったと思われる振る舞いや面白かった話

プリパラの話をしたら調子が出てきました。良い話を書いていきます。

エンジニア志望として企業の面接を受ける中では、当たり前ですがエンジニア職の方々が面接官として登場して、お話する機会が多くあります。

面接では、自分の作ったものやバイトでの開発話、コミュニティとの出会いやRailsGirlsでオーガナイザーをやったことなどをちょくちょく話していたのですが、どの方々もすごく楽しそうにお話を聞いてくださり、大変嬉しかったです。

よく就活で問われがちな留年の話に関しても、「そういう人」が多い業界だからと優しく汲み取っていただきました。それよりかは、今頑張っていることや好きなことに対して話すことが重要なように感じました。

そういった話もありつつ、企業の人事の方から「現場の人たちにすごく好かれそうな性格をしている」と言ってもらえる度にすごく嬉しかった記憶があります。

 

また、面接官の方がRubyコミュニティで仲良くなった人の同期の方だったり、RubyKaigiでお話したことのあるエンジニアさんが面接官で登場されることが記憶の限りだと4回ほどあり、「え、○○さん……!!?」と顔を見てびっくりしてしまうといったような、ちょっと不思議な空気になることがありました。

某社のオフィスに訪問した際、「あの歩いてるお二人、よくインターネットで見るすごいエンジニアさん達では……!?何か重要な会議があるのかな」とテンションが上がる中面接に呼ばれたら、そのお二人が面接官として現れて衝撃を受けたこともありました。

 

面接というと、フォーマルかつ緊張してしまいがちな空間のイメージ(実際緊張してうまく話せないこともあります)ですが、そういった中で楽しいと感じられるイベントも多くありました。

そういった中で、自分も楽しく、相手の方にも楽しいと思っていただけていそうな面接の場合はよく通っていた記憶があります。あまり無理にかしこまるより自然体で楽しく話せる空気を作ることは結構重要だったのかも、と今思います。

 

・最終面接の壁と企業の軸

上のような楽しい話も多くありましたが、1年くらいやっていることもあり悩む期間もありました。

上記の受けた企業の数の方でなんとなく察していただけるかもしれませんが、自分の場合、最終一歩手前の現場マネージャークラスのエンジニアの方との面接を通過できたとしても、役員レベル方との最終面接ではどうしても落ちてしまっていました。

ちなみに一番の本命だった企業が2019卒時代最後に受けた最終面接で、面接して1週間過ぎてからお祈りメールがきたときはめちゃくちゃしんどかったです。

その翌日にRubyKaigi2018があり、エモリハウスで会ったエンジニア女性の方に就活の事情を話したところ、「私も今入ってる会社に4回落ちたけど5回目で入ったよ。1回ぐらい落ちたってまだまだこれからだよ、頑張って」といったお言葉をいただき、第一希望の企業に落ちた悲しみを思い出しながらも、とても勇気をいただけて頑張っていこうという気持ちになりました。

そのあと、アレコレしながら「このままの調子だと卒業は無理そうだし、2020卒で就活した方が良いかもしれない」という決断をし、そうこうしているうちに2019年に突入していました。

しかし2019年になってからも最終面接までは行くものの、落ちてしまうことが2度ほど続いていました。去年本命の企業だった企業も再び最終まで行きましたが、そこでも緊張で頭の中が真っ白になりしどろもどろになり落ちました。

わかる人にはわかりそうな言い方をすると、約1年の間で歌舞伎座タワーに7回(その内1回は会社訪問)足を運びました。結果は残念であれど、一つ一つの面接の中で得るものが沢山あり、すごく良い思い出だったと思っています。

 

ここまでくるとまだ自分の就活の振る舞いに関して、まだ言語化できていない問題もあるように感じ始め、自己分析もかねてちょうどその頃iPadを新調して手に入れたApple Pencilを利用して就活絵日記的なものを付けるようになりました。

 

そういった日記をつけていく中で、エンジニア面接で技術の話やインターネットのコミュニティの話はできても、「あなたが選ぶ企業の軸は何ですか?」「会社を選ぶ時に一番大事にしていることは何ですか? 」と役員レベルの方や人事の方に聞かれると、その企業の人達にとって良い答えをしようとした結果(例: 「toC向け企業でユーザーに楽しんでもらえるサービスに関わりたい」)、その話を深く掘り下げることになった際に、

プロダクト・サービスの意義や今強く感じている問題点、自分が改善したいと感じることなどを自分の言葉でうまく話せなくて失敗してしまう、というパターンが多くあることに気付きました。

それ以前に、自分が今の就活の中で軸として考えていることって何だろうと追求した結果、以下の画像のようになりました。

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今見返すと字がめちゃくちゃ汚いですね。かなり殴り書きで書いた覚えがあります。

これだけ見ると自己本位寄りだなと唸ってしまう部分もあるのですが、それでも私は中学生の頃からインターネットに救われて、当時関わった大好きなインターネットにいたような人達と一緒に仕事をして、技術のことを深めながら企業に貢献できるような働きがしたいという想いが根底にあるのでは、と言語化できました。

 

「でもこれを面接で正直に話して大丈夫なんだろうか??」と不安になっていたところ、Rails-Follow-up-kyotoのイベントがあり、いつもお世話になっているエンジニアの人達にこの画像を見せたところ、「これは絶対に話した方がいいよ!すごくしっかり考えているのが伝わってくるから向こうもわかってくれると思う!」と背中を押していただき、それなら話すしかない、と決意しました。

そして、次の週にあった面接でiPadの画面を使って自分が書いたメモを見せながら自分が企業でやりたいこと・就活の軸の話をしました。

まず結論から話させていただきますが、その企業から内定をいただきました。

 

 3,内定先について

その企業では教育の分野に深く携わるサービスの開発を行なっており、選考を受けて行く中で、「教育」と自分の結びつきをずっと考えていました。

その中で一番強く言葉にできたのは、「自分は中学時代は学校に対して辛い思い出の方が多い。だけど、インターネットの繋がりのおかげで辛いことがあっても学校に通うことができたし、そのおかげで学校の中で友達も作ることができた。インターネットの力で今学校に対して悩みを抱えている人を救うことができることはず。」といった考えでした。

上の話を中心に、今までの中で一番自分の人生のことを話しながら、この会社の中で働きたい思いを真剣に話しました。不恰好でもいいから最後までやりきろう、と思いをぶつけられることのできた面接だったと思います。

面接官の方にも、共感していただける場面が何度かありすごく嬉しかったのを覚えています。そういった満足感もあり、ここまでやりきれたのだから後悔はない、と思いながら帰りました。

その3日後に内定通知の電話がきて、バイト先でボロボロに泣きながら「内定が出ました」という報告をし、社員の方々に拍手していただくという大変テンパった状況になりました。とにかく嬉しかったです。

 

 

このタイミングで社名を紹介させていただきますが、Classi株式会社というEdTechのベンチャー企業で来年の4月から働く予定です。

classi.jp

4月に開催されたRubyKaigi2019でスカラシップスポンサーとして支援をしていただき、懇親会で社員の方々と仲良くさせていただいたのが自分の中で最初のきっかけでした。

お話させていただいた社員の方々が本当に優しい人たちばかりで、これから盛り上げていこうとする意気込みも懇親会の中で伝わってきて、すごく温かい雰囲気のある会社だなあという第一印象でした。

その上で、カンファレンスにスカラシップスポンサーとして関わっている姿などからも、自分が軸として考えていた技術コミュニティへの貢献を意識している企業さんという条件を満たしており、魅力に惹かれる点が多くありました。

また、選考を受けている期間の中でも、面談やインターネット上で社員の方々の人格を知る機会が多くありました。

そういった交流をする中で、人としてもエンジニアとしても尊敬できる社員さんが何人もおり、人事や広報の方々も本当に親切な方ばかりで「私もこういった素敵な優しさを身につけられる人になりたい」と強く感じさせられました。

内定をいただくことができ、本当に嬉しい気持ちでいっぱいです。社員の皆さま方、来年4月からよろしくお願いいたします。

 

 4,まとめ

来年からは東京に行くため、あと1年足らずで京都を離れることになります。

京都を中心とするコミュニティの方々に本当に支えられたと感じており、寂しい気持ちもあります。社会人になってからまた恩返しができるように、これからも末長く交流させていただけると幸いです。

(寂しさが募った結果1~2か月おきに京都に行くこともあり得そうな気がしていますが……。毎年恒例の忘年会は絶対に行きます。)

 

破滅もしないようにやっていくぞ!!!(無理やりな破滅ブランディング)

東京の方々と飲みに行ける機会をこれからすごく楽しみにしております。8月末に開催されるbuilderscontokyo2019で東京に行く予定なので、参加される方はぜひ飲みに行きましょう!

twitter.com

 

 

宣伝というか予定的なもの

Twitterや別の記事でも告知していますが、9/22(日)に開かれる技術書典7で以下のような自分がWebエンジニア就活エッセー本を出す予定です。

 

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上記の就活絵日記のログが無限にあるので見せれる範囲で掲載しつつ、

(具体的な企業名やセンシティブと判断したエピソードを掲載することは今の所予定していません。大体このエントリで取り上げているような話がメインです)

エンジニアコミュニティ交友録(自分が以前参加したカンファレンスを始めとして、京都、沖縄でのコミュニティを実地取材する予定です)や個人でのWebサービス開発の流れやアイデア出しについても紹介するつもりです。)

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最後に、就活中に関わった企業の方々、応援やアドバイスをしていただいた方々、本当にありがとうございました。

一人前のエンジニアになっていけるようこれからも技術に向き合いつつ、アウトプットをし続けていきたいと思います!

 

追記

就活本、電子版の販売を開始しました!BOOTHで500円で売っております〜。

kiryuanzu.booth.pm

*1:吃音のことを理解してちゃんと話を聞こうとしてくれる優しい人事さんも多くいます