桐生あんずです

日常やプログラミングについて書いています。

宝塚初観劇

先輩と宝塚の公演を観てきた話です。

宝塚歌劇団は初めて観に行ったのですが、多少TVで観たりCMで存在を知っていたと言えども、生で観なければ体感できないものが沢山ある素晴らしいミュージカルでした。

観に行った公演は「GUYS AND DOLLS」という1948年のブロードウェイの裏町が舞台になっているコメディ色の強いミュージカルでした。
パンフレットの情報を見る限り、元は海外のミュージカルで、宝塚なりにアレンジされたものになっているようです。
ストーリーについての感想を述べておくと、(Twitterで言ったこととほぼまんまですが)世界観は時代設定が1948年ということもあり、旧来のジェンダー観に組み敷かれていて、話筋としては男役が主体的に動く場面が多く、その男役達に女役が惹かれてストーリーが展開していくという構成だったのですが、最終的には男役は女性のある選択肢を承諾し従う形でストーリーは終わるという少し観点を変えれば性別による立場の逆転劇として描かれています。(それを女性達が全てやっているのが宝塚だからこそできる良さだと思います)
女性達の決意を表すシーンはコミカルでありながらも今までの抑圧を解き放つ現れを示していて、感動的でもありました。
ただ、惜しいのは男性達がその女性達の決意をどう受け入れたのかが分かりにくく、最後のシーンを見る限り割とあっさり受け入れてしまったように見えるのでそこをもう少し描いたら更にストーリーの厚みが出るのではないかと個人的に感じました。

ですが、歌のシーンはどこをとっても素晴らしいものばかりでした。
とにかくハモりが素晴らしいんですよね。また、演技を意識しながら歌ってるのが分かりやすいので話の飲み込みも大変しやすい。例えば、ハヴァナでサラが酔っ払ってしまいスカイに対しての愛の独白をする際に、声からして酔っ払ってる雰囲気が伝わってきたのですが、それでも美しい歌声を維持していてプロだなぁと思いました。
あと、宝塚の人達はとにかく発声が素晴らしいですね。
開始の際にスカイ役の北翔海莉さんがアナウンスをしてくださったのですが、もうそこから宝塚の公演が始まるのを感じるというか、最初から綺麗な声の張り方をしていて魅力を感じました。

歌のシーンに関しては、男役達がハモりながら歌う「運命よ、今夜は女神らしく」が技術的に一番感動させられました。拍手もダイジェスト前であったらここが一番大きかった気がします。
女性のアルトボイスは、才能があってこそのものであると思いますし、彼女達はその与えられた才能を使いこなしてしました。聴いていて耳が快感を覚えるレベルです。

また、ストーリーが終わった後演者さん達がダイジェストとして続々と登場し、歌ってくださるのですが、正直言ってここが一番感動しました。「こんな美しい場にどうしていられるんだろう…」と思ってずっと耳を傾けて視線を彼女達に向けていたのですが、気付いたら涙が出てました。
何度も行ってる先輩も、初めて来た時にダイジェストの部分で泣くのは仕方ないと言っていて、ここは本当に恐ろしい世界だと感じさせられました。

本当に良いミュージカルでした…まさに沼のようなコンテンツだと思いますし、この感動は何度も味わいたいと思わされる初観劇でした。